鉄男 THE BULLET MAN TETUO THE BULLET MAN

2009/TETSUO THE BULLET MAN GROUP 2009(海獣シアター、アスミック・エースエンタテインメント、Yahoo! JAPAN)製作/アスミック・エース エンタテインメント配給/10年5月22日公開/35ミリ/カラー/ドルビーデジタル/ヨーロピアンビスタ/71分/全篇英語、日本語字幕
©TETSUO THE BULLET MAN GROUP 2009

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☆09年シッチェス・カタロニア国際映画祭Time Machine Honorary Award/10年グリーンプラネット・フィルム・アワード“2010年アジア映画で最も期待される映画”受賞

〈解説〉『鉄男』から20年。“鉄男アメリカ”としてハリウッドで企画開発され、クエンティン・タランティーノも製作に名乗りを上げた“幻のプロジェクト”。『鉄男Ⅱ BODY HAMMER』同様、過去2作の物語上の続編でもなければリメイクでもない。大都市・東京を舞台に、男の体が鋼鉄と化すモチーフを継承しながらも、主役にアメリカ人俳優を据え、全世界公開を目指した全篇英語の作品として製作されている。

〈略筋〉東京で外資系企業に勤めるアンソニー(エリック・ボシック)は、妻ゆり子(桃生亜希子)、3歳の息子トム(ゲアハート大雅)と幸せな生活を送っていた。科学者だった父・ライド(ステファン・サラザン)は、アンソニーの母親である妻・美津枝(中村優子)を癌で亡くして以来、息子と孫の健康に強迫観念を抱き続けていたが、ある日、謎の男が運転する車にトムが轢き殺されてしまう。絶望し、怒り狂うゆり子。“決して怒りの感情を持ってはならない”という両親の教えを守り、心を鎮めようとするアンソニーだったが、ゆり子と心のすれ違いを重ね、次第に感情のコントロールを失っていく。やがて身体に変化が現れ、ついに鋼鉄と化していく。そこに、謎の男“ヤツ”(塚本晋也)が現れる。鉄男プロジェクト、人工人体の研究、トランスフォーム、人造人間兵器、米国企業の目論み、プロジェクトの中止と隠滅、美津枝の癌、解剖。あらゆる “謎”が交錯するとき、東京を飲み込む巨大なエネルギーの噴射が始まる。

[スタッフ]
シニア・プロデューサー・監督・脚本・撮影・編集:塚本晋也
シニア・プロデューサー:豊島雅郎
プロデューサー:川原伸一、谷島正之
プロデュース・スーパーバイザー:寺嶋博礼
共同プロデューサー:岩浪泰幸
脚本:黒木久勝
撮影:志田貴之、林啓史
音楽:石川忠
スチール:天満 眞也
録音:加藤大和
音響効果:北田雅也
助監督:黒木久勝、林啓史
宣伝プロデューサー:櫻糀恵介
アシスタント・プロデューサー:今井淑恵
撮影助手:福島 友子、堤 健太、大保 晋太郎、緒方 一智、佐川 誠、松本 健太
制作部:斎藤 香織、中川 夏美
美術部:小野 京子、藤田 奏、伊月 肇、江田 亮斗、
衣装部:桜井 真理
特殊メイク:花井 麻衣、有澤 真庭、管戸 幸一郎、赤羽 佳和
協力:諏訪 亜沙美、大沢 智美

[キャスト]
アンソニー:エリック・ボシック
ゆり子:桃生亜希子
美津枝:中村優子
ライド:ステファン・サラザン
ヤツ:塚本晋也
トム:ゲアハート大雅
宅配人:三島ゆたか

悪夢探偵 2 NIGHTMARE DETECTIVE 2

2008/製作:ムービーアイ・エンタテインメント、海獣シアター/ムービーアイ・エンタテインメント配給/08年12月20日公開/シネセゾン渋谷ほか/35ミリ/カラー/ドルビーSR/1:1.85/102分/一般映画
©2009 TSUKAMOTO SHINYA・KAIJYU THEATER ALL RIGHTS RESERVED.

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〈解説〉他人の夢の中に入ることができる“悪夢探偵”シリーズ2作目。なぜ影沼京一が悪夢探偵となったのか、その秘密に迫る“序章”ともいうべき物語。新たな依頼者である女子学生の悪夢の謎と、亡き母の死を巡るエピソードが同時進行、やがて一つに繋がり、京一は母の思いに辿り着く。静寂な恐怖の果てに見えてくるのは、切なく美しい物語。恐怖という感情に迫りながら、やがてあたたかい感動に満たされる。

〈略筋〉イヤイヤながらも、他人の夢に入るという特殊能力を持ってしまった影沼京一(松田龍平)。そんな彼を女子学生の間城雪絵(三浦由衣)が訪ねてくる。同級生の菊川夕子(韓英恵)が悪夢に出てきて眠れないので助けて欲しいというのだ。菊川は異様な怖がりで、雪絵、睦美(安藤輪子)、アキ子(松嶋初音)にいじめられ、不登校となっていた。しかし京一は、直接菊川に謝れ、と雪絵を追い返し取り合わない。睦美が謎の死をとげ、雪絵は再び京一に助けを求める。京一は菊川に亡き母、逸子(市川実和子)を思い重ねる。人の心の奥底に潜む悪意が見えてしまい、自分を取り囲む世界すべてを恐れていた逸子。逸子は京一の幼少時代に首を吊ってこの世を去っていた。京一は、遠い昔に亡くなった母の思いに触れるため、やがて、重い腰を上げ、雪絵に夢に入り、母によく似た菊川の心に触れにいくのだった。

[スタッフ]
エグゼクティブプロデューサー:唯敷和彦
プロデューサー・監督・脚本・撮影・編集:塚本晋也
プロデューサー:/川原伸一/小出健/武部由実子
共同脚本:黒木久勝
監督助手:川原伸一
助監督:黒木久勝/林啓史/吉田光希/平野拓
撮影:志田貴之
照明:坂本あゆみ
共同編集:安倍雄治
音楽:石川忠/川原伸一
音響効果:北田雅也
録音:加藤大和
美術助手:越賀あや/徳田あゆみ/齋藤佐都子/黒木真智子
スタントコーディネート:辻井啓伺
VFXプロデューサー:岡野正広
VFXスーパーバイザー:平田耕一
特殊造形:織田尚
イラスト:熊澤久里/こだまこずえ
ヘアメイク:三沢友香
衣裳制作:岩浩子
衣裳:岡村可也/入江佳宏
制作:福山秀美/中村元
スチール:天満眞也
  
[キャスト]
影沼京一:松田龍平
間城雪絵:三浦由衣
菊川夕子:韓英恵
影沼滝夫:光石研
影沼逸子:市川実和子
アキ子:松嶋初音
睦美:安藤輪子
影沼京一(7歳):橋本拓人
影沼京一(4歳):関遼輔
雪絵の母:内田春菊
菊川の父:北見敏之
菊川の母:播田美保
アキ子の父:鈴木一功
女:小林裕子

悪夢探偵 NIGHTMARE DETECTIVE

2006/製作:ムービーアイ・エンタテインメント、海獣シアター、I&S BBDO/ムービーアイ・エンタテインメント配給/07年1月13日公開/シネセゾン渋谷・池袋シネマサンシャインほか/35ミリ/カラー/ドルビーSR/1:1.85/106
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悪夢探偵 プレミアム・エディション [DVD]
悪夢探偵 スタンダード・エディション [DVD]
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悪夢探偵(電子書籍版)
悪夢探偵 オリジナル・サウンドトラック

〈解説〉塚本が長年温めてきたサイコ・サスペンス。ローマと釜山、2つの国際映画祭で同日同時間にワールド・プレミア上映。配給オファーやハリウッドメジャーからのリメイクオファーが殺到した。他人の夢に自分の意識を入れることのできる男、悪夢探偵こと影沼京一を演じたのは松田龍平。“事件解決に後ろ向きなダーク・ヒーロー”という特異なキャラクターを体現。ヒロインはの女性刑事の霧島慶子を演じたのは演技経験が初めてとなる人気シンガーhitomi。エンディング・テーマは、フジファブリックが担当し、作品の世界観を体現したオリジナル楽曲『蒼い鳥』を提供。塚本自身が執筆した原作小説『悪夢探偵』も増刷を重ねた。

〈略筋〉謎めいた死体が立て続けに発見される。被害者はいずれもベッドの上で眠った状態のまま、自らを切り刻んだ血まみれの姿をしていた。事件を担当するのは現場勤めとなったばかりの女性刑事、霧島慶子(hitomi)。自殺と思われたこの事件だが、被害者2人が死の直前に、それぞれが携帯電話から「0」と表示される人間に電話をしていたことがわかる。夢の中で誰かに襲われているようだったという被害者の妻の証言から、事件の鍵は夢にあると読んだ慶子は、他人の夢に入ることのできる影沼京一の存在を知り、協力を仰ぐ。しかし人間に深く絶望し、強い自殺願望を抱える京一は協力を拒む。同僚の若宮が「0」へ電話し、〈ヤツ〉(塚本晋也)とのコンタクトに成功したとの知らせを聞いた慶子は、若宮を救うため再度京一に助けを求める。イヤイヤながらようやくマントを羽織り、若宮の夢へと入る京一。しかし京一は夢の中で〈ヤツ〉に完膚なきまでにされてしまう。若宮を救えなかった慶子は決意を固め、京一の眼前で自ら「0」に電話し、〈ヤツ〉とコンタクトを取る。事件の深層に近づくうち、慶子はまったく気づかなかった自分自身の心の闇に気づいていくのだった。
 
☆07年ヒホン映画祭功労賞受賞/07年Cryptshow映画祭 監督への特別な賞受賞

[スタッフ]
製作:ムービーアイ・エンタテインメント/海獣シアター/I&S BBDO
エグゼクティブ・プロデューサー:牛山拓二
プロデューサー・監督・脚本・撮影・美術監督・編集:塚本晋也
プロデューサー:川原伸一/武部由実子
アソシエイト・プロデューサー:小出健
共同脚本:黒木久勝
撮影:志田貴之
助監督:川原伸一/黒木久勝/林啓史/吉田光希/杉岡大輝
照明:吉田恵輔
美術助手:越賀あや/長澤真智子/出井奈保/小坂邦貴/及川さやか/村山龍太郎/平野拓
美術応援:伊藤ゲン
特殊造型:織田尚
スタントコーディネーター:辻井啓伺
特殊効果:鳴海聡/船橋誠
ヘアメイク(hitomi担当):奈津
スタイリスト(hitomi担当):Toshio Takeda
ヘアメイク:福山秀美
衣裳:岩崎浩子
制作:福山秀美/岡素子/羽生敏博
音楽:石井忠
エンディング・テーマ:フジファブリック 「蒼い鳥」東芝EMI 作詞・作曲:志村正彦 編曲:フジファブリック
録音:加藤大和
音響効果:北田雅也
編集助手:安部雄治
VFXプロデューサー:岡野正広(GONZO REVOLUTION)
CGディレクター:平田耕一(GONZO REVOLUTION)
CGプロデューサー:川畑稔(ナブラ)
スチール:天満眞也

[キャスト]
影沼京一:松田龍平
霧島慶子:hitomi
関谷刑事:大杉漣
大石恵三:原田芳雄
若宮刑事:安藤政信
ヤツ:塚本晋也
パンク少女:猪俣ユキ
肥枝田:村木仁
肥枝田の妻:ふせえり
課長(刑事):金守珍
小宮:津田恵一
刑事:コビヤマ洋一/飯田茂年/塚本耕司/市野世龍
大石の長男:黒沼弘已
大石の次男:康すおん
大石の三男:宇野祥平
大石の妻:中沢旻江
地味な男:鈴木卓爾
慶子の若い父親:利重剛
慶子の若い母親:塚本敦子
学校の教師:川原伸一

ヘイズ/HAZE-Original 
Long Version

2005/企画・制作:海獣シアター/ゼアリズエンタープライズ配給/06年3月4日公開/ライズエックス/DV/カラー/ステレオ/16:9/49分
©2005 SHINYA TSUKAMOTO・KAIJYU THEATER

ヘイズ/HAZE-Original Long Version [DVD]
塚本晋也 COLLECTOR’S BOX 2001-2010 [DVD]

〈解説〉韓国のチョンジュ映画祭から依頼を受けた「三人三色」(アジアの映画監督3人が同予算でデジタルシネマを製作するプロジェクト)の一環として製作された25分の作品『HAZE』のロングバージョン。塚本初のオールデジタル仕上げとなった作品で、小型のビデオカメラで狭い空間を奔放に撮りあげている。意識の不確かさと美しい記憶の対比は、『ヴィタール』の延長とも取れ、凄まじい地獄の映像表現と、爽やかなラストシーンの青空という相反する「恐怖と愛」は、後の『悪夢探偵』シリーズに続く萌芽のようなものが見て取れる。05年ロカルノ国際映画祭コンペティション部門ワールドプレミア上映作品。

〈略筋〉男(塚本晋也)が目覚めると、体を動かすこともできないコンクリートの密室に閉じ込められていた。どうしてこんな所に。ここに来る前はどこにいたのか。唯一分かっているのは、自分の腹部が出血し、激痛がひどく、早く手をうたないと死んでしまう、ということだけである。男は必死に体を動かし、様々な形の異常に狭いコンクリートの空間を移動していく。そして行くたびに想像を絶する恐ろしい地獄が待ち受けているのだ。やがて切り裂かれた人人体のパーツが転がる凄惨な部屋にたどり着いた男は、そこでひとりの女(藤井かほり)に出会う。ここがどこなのか、どこから連れて来られたのか、女にもわからない。誰か大切な人の顔が、そしてどこかで花火が打ち上げられているイメージが浮かぶ。しかしそれが誰の顔なのか、いつ、どこで打ち上げられた花火なのかわからない。女はここを出て行くと言い、死体の浮かぶ水路に潜ってゆく。一度は脱出をあきらめかけていた男も進むことを決意し、女と水路に潜り、二人の決死の旅が始まるのだった。

[スタッフ]
プロデューサー・製作・監督・脚本・撮影監督・美術監督・編集:塚本晋也
プロデューサー:川原伸一
助監督:小出健/安倍雄治
撮影:志田貴之
照明:吉田恵輔
スチール:天満眞也/志田貴之
メイク・制作:福山秀美
特殊メイク:織田尚
美術助手:諏訪亜沙美/出井奈保
大道具:川原伸一/安倍雄治/伊藤進也
編集助手:安倍雄治
合成:井上裕一/横小路和友/帆足誠
録音:加藤大和
音響効果:北田雅也
音楽:石川忠      
制作協力:チョンジュ映画祭

[キャスト]
男:塚本晋也
女:藤井かほり
若い男たち:村瀬貴洋/神高貴宏/辻岡正人
若い女:さいとう真央

玉虫~female~ Jewel Beetle~female~

2005/製作:セガ、アミューズ、ミコット・エンド・バサラ、ジャパン・デジタル・コンテンツ、モブキャスト/制作協力:海獣シアター/東芝エンタテインメント配給/05年5月14日公開/35ミリ/カラー/DTSステレオ/アメリカンビスタ/22分/R-18
©2005 female Film Partners

female [DVD]
塚本晋也 COLLECTOR’S BOX 2001-2010 [DVD]

〈解説〉2002年の『Jam Films』からスタートして『Jam Films2』『Jam Films S』と発展したコンピレーション・ムービー『Jam Films』シリーズの第四弾、『female』のうちの1本。第一線で活躍する女性作家5人が“女性”をテーマに書き下ろした作品を、気鋭の監督たちが5本の映画に仕上げたオムニバス作品で、塚本は小池真理子原作の『玉虫』を映画化。

〈略筋〉野中にぽつんと立つ一軒家。古ぼけたテレビに玉虫厨子のドキュメンタリー映画が流れている。それを見ている女(石田えり)と、女のスカートをまくって腿を愛撫しているじじい(小林薫)。女はじじいの愛人で、じじいが来るのをひたすら待ちながらこの家で暮らしている。ある晩、泥酔したじじいが若い男(加瀬亮)をつれてくる。じじいに言われ、誕生日に買ってもらったピンクのバレリーナ衣装に着替えた女は、2人の前で『渚のシンドバッド』をフリ付きで歌う。じじいは大きな仕事が控えていること、昔から男に助けてもらっていることを話すが、女が男に職業を尋ねても男は教えない。遠い東京について話す男と女。やがてじじいが眠り込み、女と男の間にエロチックな空気が流れ出す。じじいと男の間で揺れる女の自立を描く。

[スタッフ]
プロデューサー・監督・脚本・撮影:塚本晋也
プロデューサー:松岡周作/川原伸一
原作:小池真理子(新潮社「小説新潮」)
助監督:小出健/黒木久勝/安倍雄治
撮影助手:志田貴之
照明:吉田恵輔
スチール:天満眞也
制作進行:福山秀美/生田幸恵/弓削裕之 
衣裳:小林純子
メイク:福山秀美
劇用刺青:霞涼ニ
ガンエフェクト:唐沢裕一
音楽:石川忠
音響効果:北田雅也
整音:加藤大和

[キャスト]
女:石田えり
男:加瀬亮
じじい:小林薫

ヴィタール VITAL

2004/海獣シアター製作/ゼアリズエンタープライズ配給/04年12月11日公開/アミューズCQN、K’s cinema/35ミリ/コダック/カラー/DTSステレオ/ビスタ/86分/5reels
©2004 SHINYA TSUKAMOTO・KAIJYU THEATER

ヴィタール スタンダード・エディション [DVD]
ヴィタール プレミアム・エディション (初回限定生産) [DVD]
塚本晋也 COLLECTOR’S BOX 2001-2010 [DVD]
ザ・ベスト盤(初回限定盤)

〈解説〉都市と肉体をテーマに撮り続けてきた塚本が、肉体そのものに迫った『六月の蛇』をへて、肉体の内部という新境地を開拓した作品。塚本はこの作品のために多量の参考文献や図版を読み、長期にわたる解剖学者や医学生への取材、そして大学病院の実際の解剖実習に立会見学するなど万端の準備で臨んだという。この「解剖」はその後『鉄男 THE BULLET MAN』においても重要なエッセンスとして用いられている。エンディングテーマ曲をCoccoが担当。

〈略筋〉交通事故からかろうじて一命を取り留めた青年、高木博史(浅野忠信)。だが彼は、一切の記憶を失っていた。父・隆二(串田和美)や母・慎子(りりィ)の顔さえわからない。しかしなぜか医学書にだけは興味を示し、やがて大学の医学部に入学する。2年生の必須科目である解剖実習が始まり、博史の班に若い女性の遺体が割りあてられた。その遺体の左腕に刺青がある。記憶の空白を埋めるかのように解剖にのめり込んでいく博史は、解剖を続けるにつれ、現実とは異なる世界へとフラッシュしていく。それは、左腕に刺青のある涼子(柄本奈美)という女性と一緒に過ごす、甘く切ない記憶を超えた世界だった。彼はもうひとつの世界で涼子と共に生きることを決めるが・・・・・・。

☆05年ブリュッセル国際映画祭銀鴉賞(SILVER RAVEN)受賞/第3回アジア太平洋地域諸国国際映画祭(ウラジオストック国際映画祭)審査員特別賞/04年シッチェス国際映画祭ニュービジョンズ部門最優秀作品賞受賞/第19回高崎映画祭最優秀作品賞受賞・最優秀主演男優賞受賞(浅野忠信)

[スタッフ]
企画・制作:海獣シアター
プロデューサー・監督・脚本・撮影監督・美術監督・撮影・編集:塚本晋也
プロデューサー:日下部圭子/日下部孝一/朱京順
プロデューサー・助監督:川原伸一
助監督:小出健/黒木久勝/中村佑子/安倍雄治
撮影:志田貴之
照明:吉田恵輔
スチール:天満眞也
人体造型:織田尚/高木紳吾/前田裕基
解剖デッサン:熊澤久里
録音:小原善哉
音響効果:北田雅也
制作進行:福山秀美/岡素子/平嶋康人/湯川暁子
美術助手:越賀あや/吉田光希/井上裕一/齋藤恵/谷川佳子/諏訪亜沙美
衣裳制作:岩・浩子
メイク:福山秀美
振付:大島早紀子(H・アール・カオス)
振付助手:白川直子(H・アール・カオス)
音楽:石川忠
エンディング曲:Cocco「blue bird」
作詞・作曲:こっこ/編曲:片山敦夫
Ⓟ2004 Victor Entertainment,Inc./MS Artist Products Inc./Cocco Co.,Ltd. 2004 STAY GOLD MUSIC PUBLISHING INC./Cocco Co.,Ltd
解剖監修:関野佳久(解剖学者)

[キャスト]
高木博史:浅野忠信
大山涼子:柄本奈美
吉本郁美:KIKI
高木隆二:串田和美
高木慎子:りりィ
大山三郎:國村隼
大山のり子:木野花
柏淵教授:岸部一徳
中井教諭:利重剛
青木教諭:原昇
刑事:康すおん
斎場係員:鈴木一功/松田次雄
発生学教授:川島宏知
生理学教授:中島陽典
神経学教授:村松利史
心理学教授:綾田俊樹

とかげ LIZARD

タイトル:NHK朗読紀行・にっぽんの名作 吉本ばなな作「とかげ」
2003/製作:NHKエンタープライズ21、カズモ/制作協力:海獣シアター/NHK Hi, NHKBS/04年7月11日放送/カラー/16:9(Hi-Vision)/50分
©2003 NHK/カズモ

塚本晋也 COLLECTOR’S BOX 2001-2010 [DVD]

〈解説〉日本文学の名作を映画監督が演出し、俳優が朗読するテレビシリーズ『朗読紀行 にっぽんの名作』のうちの一作。『キッチン』などで知られる人気作家、吉本ばなな(現:よしもとばなな)の短編小説『とかげ』をりょうが朗読する。塚本は取り壊し中のビルの中で朗読するりょうの姿を49分間ワンカットで撮るという斬新な手法で描き、高い評価を受けた。

〈略筋〉自閉症児専門の病院でカウンセラーとして働く29歳の男性である“わたし”は、密かに“とかげ”と呼んでいる年上の女性との交際を続けている。内腿に小さなとかげの刺青があり、とかげを思わせる黒い目を持つ小柄で華奢な彼女と出会ったのは、かつて通っていたスポーツクラブ。彼女はエアロビクスのインストラクターをしていたが、他人の体の悪い部分が目に見え、更にそれを癒せるという不思議な力をもっていた。

☆2004年ATP賞のドラマ部門・優秀賞受賞

[スタッフ]
プロデューサー・演出・撮影・編集:塚本晋也
プロデューサー:西世賢寿/上田信/川村尚敬
原作:吉本ばなな
音楽:谷川賢作
助監督:川原伸一/黒木久勝
制作進行:福山秀美
撮影助手:志田貴之
照明:吉田恵輔
録音:高橋義照
美術:佐々木尚
装飾:渡辺誉慶
美術進行:伊藤英輔
衣装:清水恵子
メイク:石川智恵
音響効果:北田雅也

[キャスト]
りょう

六月の蛇 A SNAKE OF JUNE

2002/海獣シアター製作/ゼアリズエンタープライズ配給/03年5月24日公開/渋谷シネ・アミューズ、銀座シネ・ラ・セット(L)/35ミリ/コダック/アシディック・ブラック&ホワイト(カラーポジ・プリント)/スタンダード(1:1.33)/DTS STEREO/77分/4reels
©2002 KAIJYU THEATER・TSUKAMOTO SHINYA

六月の蛇 [DVD]
六月の蛇 初回限定版 [DVD]
塚本晋也 COLLECTOR’S BOX 2001-2010 [DVD]
小説 六月の蛇
A SHAKE OF JUNE

〈解説〉塚本自身が「出発点であり、ひとつの到達点」という本作は、20年間塚本が温めていたアイデアがベース。死の病を宣告されたストーカーにより、変態的な陵辱を強要される人妻を描く。共にガンに侵された男女の性的な駆け引きに、女の夫が絡む奇妙な三角関係が、梅雨の東京で展開され、大量の雨と切なく震える感情で画面はしっとりと濡れていく。

〈略筋〉梅雨の東京。潔癖症の中年サラリーマン辰巳重彦(神足裕司)と、心の健康センター電話相談室に勤める妻・りん子(黒沢あすか)。高級マンションで恵まれた生活を送る二人。一流企業に勤務する重彦の帰宅は遅く、会社から早く戻った時はキッチンを執拗に磨き上げ、夜になるとダブルベッドを抜け出していく。一方、死の病に冒され、生きる気力をなくした飴口道郎(塚本晋也)は、暗室と隣り合わせの居室で孤独に座り込んでいた。まもなくりん子は、職場で道郎から自殺予告の電話を受け、彼に励ましの言葉を与える。それをきっかけに、道郎のストーカー行為が始まる。りん子宛てに届いた封書には、彼女の自慰行為を盗み撮りした写真が入っていた。道郎の脅迫が始まる。りん子は極端に短いスカートをはいて街を歩かされ、ポルノ・ショップへバイブレーターを買いに行かされ、そして・・・。死の痛みと圧倒的な孤独の中、自らを開放していく女の姿を描く。

☆02年ヴェネチア国際映画祭審査員特別大賞/02年ヴェネチア国際映画祭協賛キネマトリックス長編映画部門最優秀作品賞/02年シッチェス国際映画祭最優秀美術監督賞/03年ポルト国際映画祭ファンタジー特別賞/03年ポルト国際映画祭最優秀主演女優賞(黒沢あすか)

[スタッフ]
プロデューサー・監督・脚本・撮影監督・美術監督・照明監督・編集:塚本晋也
音楽:石川忠
アシスタントプロデューサー・助監督:川原伸一
助監督:小出健/黒木久勝
撮影:志田貴之
照明:吉田恵輔/斎藤香織/由利敦子
制作・メイク:福山秀美
衣裳協力:岩崎浩子/加藤ゆか
衣裳担当:河野稔子/空閑雅子
スチール:天満眞也
録音:小原善哉
音響効果:北田雅也/柴崎憲治
美術:広瀬陽一/山本雅夫/中村佑子/西宮由貴/越賀あや/千葉友子
特殊効果:中村元/林啓史/吉田光希
ガンエフェクト:唐沢裕一
特殊メイク:織田尚
制作進行:福山秀美/山下若菜/岡素子
現像:IMAGICA
配給プロデューサー:日下部圭子
海外プロデューサー:朱京順

[キャスト]
辰巳りん子:黒沢あすか
辰巳重彦:神足裕司
飴口道郎:塚本晋也
りん子の同僚:鈴木卓爾
八百屋:不和万作
重彦の母:花原照子
アダルト雑誌・編集長:田口トモロヲ
アダルト雑誌・カメラマン:大槻修治
若い警官:寺島進
年輩の警官:真実一路
警官:山口剛
大人の玩具屋・店員:鈴木一功
大人の玩具屋・客:塩田時敏/ジーコ内山/中村元
デパート・若い客:村瀬貴洋/塩崎誠/辻岡正人/佐久間高秀