ヘイズ/HAZE-Original 
Long Version

2005/企画・制作:海獣シアター/ゼアリズエンタープライズ配給/06年3月4日公開/ライズエックス/DV/カラー/ステレオ/16:9/49分
©2005 SHINYA TSUKAMOTO・KAIJYU THEATER

ヘイズ/HAZE-Original Long Version [DVD]
塚本晋也 COLLECTOR’S BOX 2001-2010 [DVD]

〈解説〉韓国のチョンジュ映画祭から依頼を受けた「三人三色」(アジアの映画監督3人が同予算でデジタルシネマを製作するプロジェクト)の一環として製作された25分の作品『HAZE』のロングバージョン。塚本初のオールデジタル仕上げとなった作品で、小型のビデオカメラで狭い空間を奔放に撮りあげている。意識の不確かさと美しい記憶の対比は、『ヴィタール』の延長とも取れ、凄まじい地獄の映像表現と、爽やかなラストシーンの青空という相反する「恐怖と愛」は、後の『悪夢探偵』シリーズに続く萌芽のようなものが見て取れる。05年ロカルノ国際映画祭コンペティション部門ワールドプレミア上映作品。

〈略筋〉男(塚本晋也)が目覚めると、体を動かすこともできないコンクリートの密室に閉じ込められていた。どうしてこんな所に。ここに来る前はどこにいたのか。唯一分かっているのは、自分の腹部が出血し、激痛がひどく、早く手をうたないと死んでしまう、ということだけである。男は必死に体を動かし、様々な形の異常に狭いコンクリートの空間を移動していく。そして行くたびに想像を絶する恐ろしい地獄が待ち受けているのだ。やがて切り裂かれた人人体のパーツが転がる凄惨な部屋にたどり着いた男は、そこでひとりの女(藤井かほり)に出会う。ここがどこなのか、どこから連れて来られたのか、女にもわからない。誰か大切な人の顔が、そしてどこかで花火が打ち上げられているイメージが浮かぶ。しかしそれが誰の顔なのか、いつ、どこで打ち上げられた花火なのかわからない。女はここを出て行くと言い、死体の浮かぶ水路に潜ってゆく。一度は脱出をあきらめかけていた男も進むことを決意し、女と水路に潜り、二人の決死の旅が始まるのだった。

[スタッフ]
プロデューサー・製作・監督・脚本・撮影監督・美術監督・編集:塚本晋也
プロデューサー:川原伸一
助監督:小出健/安倍雄治
撮影:志田貴之
照明:吉田恵輔
スチール:天満眞也/志田貴之
メイク・制作:福山秀美
特殊メイク:織田尚
美術助手:諏訪亜沙美/出井奈保
大道具:川原伸一/安倍雄治/伊藤進也
編集助手:安倍雄治
合成:井上裕一/横小路和友/帆足誠
録音:加藤大和
音響効果:北田雅也
音楽:石川忠      
制作協力:チョンジュ映画祭

[キャスト]
男:塚本晋也
女:藤井かほり
若い男たち:村瀬貴洋/神高貴宏/辻岡正人
若い女:さいとう真央