1989/海獣シアター製作/海獣シアター配給/89年7月1日公開/中野武蔵野ホール(L)/16&35ミリ/フジ/B&W/モノラル/スタンダード/67分/4reels/R指定
©1989 KAIJYU THEATER
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〈解説〉ローマ国際ファンタスティック映画祭でグランプリを獲得し、塚本の名を一躍世界に知らしめることになった16ミリ作品。86年の8ミリ作品『普通サイズの怪人』をベースに、頬にできた鉄のトゲから、肉体が鉄の細胞に侵蝕されていく男の爆裂劇を、メタリックな美術、音響と、機関銃のようなリズムのコマ撮りで、パワフルに映像化。当時隆盛となる人間とテクノロジーの相克を描くSFジャンル、サイバーパンクの日本における先駆となる。鉄雄という名の少年が主人公である大友克洋のマンガ&アニメ『AKIRA』と共に、日本代表のカルト・スタンダードとなった。
〈略筋〉ある朝、サラリーマンの男(田口トモロヲ)が目覚めると、頬に金属のトゲのようなにきびが出来ていた。出勤途中のプラットホーム。事務員風の眼鏡の女(叶岡伸)が、金属と溶け合い膨張した腕を振りかざして男を襲う。無意識に眼鏡の女を殴り倒した男の、その恐ろしい力をたぎらせた腕は、カサブタのような金属に被われ、熱を噴き上げていた。激しい痛みを伴い、次第に金属に侵蝕されていく男の肉体。ついに金属は顔面の半分を被い、ペニスにまで広がる。男は忽然と作動してしまった股間のドリルペニスで、恋人の女(藤原京)を犯し殺してしまう。その時、電話のベルが鳴る。電話の主は、かつて男と女がひき逃げした、“やつ”(塚本晋也)。彼はその事故により、脳に金属片が刺さってしまったのだ。“やつ”は男に復讐を果たすため、激烈なスピードで男のもとへ向かった。そして終わることのないメタルサイキック戦争が始まるのだった。
☆89年ローマ国際ファンタスティック映画祭グランプリ受賞
[スタッフ]
監督・脚本・撮影・特殊効果・美術・照明・編集:塚本晋也
助監督・撮影・衣裳:藤原京
音楽:石川忠
オペレーター:尾崎光宏
挿入曲:「見はてぬ想い」
作曲:奥沢明雄
監督助手:叶岡伸/小嶋博幸/石上朋子/小高朋子/福居正臣/永尾英代/渋谷恒一/佐藤純子/額田みどり
録音:朝日サウンドスタジオ/佃光男/後藤正治/佐藤浩司
東京テレビセンター
協力:木村俊樹/大坪正英/佐藤俊夫/堀川圭祐/秋元正美/安岡卓治/西村隆/黒田せつこ/坂下美香
[キャスト]
男:田口トモロヲ
女:藤原京
眼鏡の女:叶岡伸
やつ:塚本晋也
医者:六平直政
謎の浮浪者:石橋蓮司