BULLET BALLET/バレット・バレエ

1998/海獣シアター製作/ゼアリズエンタープライズ配給/00年3月11日公開/渋谷シネ・アミューズ/35ミリ/B&W/ステレオ/アメリカンビスタ/87分/8reels/コダック/モノクロ/R15指定
©1998 TSUKAMOTO SHINYA・KAIJYU THEATER

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バレット・バレエ
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〈解説〉「鉄男」世代とジェネレーションX世代の冷たい戦争を描くが、これまでの徹底的な暴力性が変化し、叙情性が加わる。拳銃の入手に関するリアリティーが徹底追及され、ドキュメンタリー的なタッチも採用された。戦争という塚本にとって重要なテーマの発芽がある。当時BLANKY JET CITYのドラマーだった中村達也の初演技も印象的。また、98年ヴェネチア映画祭ワールドプレミアを皮切りに、25の映画祭で上映した98分版をプレミアヴァージョン、その後、再編集された劇場公開版をプログレスヴァージョンとた。

〈略筋〉拳銃自殺で恋人の桐子に先立たれたCM制作会社員の合田(塚本晋也)。この事件をきっかけに、合田は桐子(鈴木京香)の死の要因となった拳銃に傾斜し始める。ある日、泥酔した合田は、不良グループの少女、千里(真野きりな)と再会する。合田は以前にからまれたことで文句をつけるが、後藤(村瀬貴洋)たち五人に囲まれて殴り飛ばされ、自分たちがたむろするクラブに金を持ってくるように脅される。合田は彼らに復讐するべく、拳銃を求めて街を彷徨う。だが入手は難しく、自らの手で拳銃を作りクラブに殴り込むが、素人が作った改造拳銃ではダメージを与えることができず、またしても不良グループの前に無力さをさらけ出すことになってしまう。一方、クラブのオーナーであり、不良たちのカリスマ的リーダー、出射(中村達也)は、不良たちに死のゲームを楽しめ、と囁いている。ゲームのような実体感のなさでしか暴力をとらえていない不良たち。反面、いつかは就職し安定したいと考えるアンバランスな側面を持っている。そんな中、死へ傾斜する千里と合田の間に不思議なシンパシーが生まれ、合田はあるグループとの戦いで千里が死を覚悟していることを知る。合田はついに拳銃を手に入れ、実体のつかめぬ自分の肉体を確かめるべく、渾身の力で拳銃を握り締め、深夜の街へと飛び出していくのだった。

☆98年スウェーデンファンタジーフィルムフェスティバルグランプリ

[スタッフ]
プロデューサー・監督・脚本・撮影監督・撮影・美術監督・編集:塚本晋也
照明・撮影・スチール:天満眞也
助監督:川原伸一/大谷清英/小出健/黒木久勝
監督助手:吉田恵輔
撮影助手:志田貴之
音楽:石川忠
美術:山本学/細野太郎/木村亜希子/江原真美/堀内智恵
録音:柿沼紀彦
整音:関谷行雄
効果:柴崎憲治
製作進行:福山秀美/石塚麻由美/関谷楽子
特殊メイク:織田尚
特殊造型:高濱幹
メイクアップエフェクト:原口智生
ガンエフェクト:唐沢裕一
衣裳:岩崎浩コ/岡村可也/片岡友美/平岡希実久
特殊効果:鳴海聡/船橋誠
銃器監修:津田哲也
特別協力:古賀一馬
海外プロデューサー:朱京順

[キャスト]
合田:塚本晋也
千里:真野きりな
出射:中村達也
後藤:村瀬貴洋
警官:田口トモロヲ
遠藤:井筒和幸
組長:金守珍
桐子:鈴木京香
工藤:井川比佐志
その他の出演者:塩崎誠/辻岡正人/佐久間高秀/神高貴宏/塚本耕司/黒沼弘巳/吉田恵輔/吉川光/三島裕/川原伸一/遠山健司/田崎詩織/カティージャ・バダミ/梅田宏/姥山良子/小林尚睦/木村慶太/津田哲也/唯野未歩子